開催期間:2024年6月10日(月)〜22日(土)
時 間:11:00-18:00
場 所:アタリー (港区南青山6-6-25)
※ 作家在廊日についてはお問合せください(電話:03-3400-5744)
フランスと日本では気候や環境などの風土が異なるため、それぞれ陶器の素材に適した土があります。フランスで作陶活動を続ける作家のMamiさんは、風土に合った土であることに加え、自身が目指す形や質感・色彩を最大限に表現できることからブルゴーニュの土を愛用しています。
Mamiさんの作品には共通して威厳のある佇まいを感じますが、個々の作品に注目するとどれもが独創的で、それぞれがまるで違う色彩や模様であることに気が付きます。
その理由のひとつは創作過程において、自然と起きる変化や、意図して起こす反応、偶然の面白さなどを織り混ぜ、一つ一つの作品を最適な道筋で作り上げるアプローチを取ることにあります。
土自体を焼成により狙った色味にしたり、釉薬同士の意外な反応を利用したり、焼成の温度や時間を調整することで作品に個性を与え、表面にはまるで自然によって描かれたような、飾り立てない美しさを見出すことができます。
この作品は「建築家のサラディエ」と名付けられました。スペイン・グッゲンハイム美術館の内部の巨大な構造がインスピレーション元となり、建築的な要素を感じるフォルムに仕上げています。「サラディエ」はフランス語で「サラダボール」の意味です。
今フランスでは植物ブームだそうです。植木鉢と鉢カバーを陶器で作製してほしいというリクエストを受けてできたシリーズです。フランス語で鉢カバーは「カシュ・ポ」ということから、「カシュ・ポ シリーズ」と呼んでいます。今回はご友人の植物エキスパートの方のご協力で可愛く希少な植物をカシュ・ポに植えて展示しています。ご自宅で植物を育てている方は、お気に入りの植物の鉢をカシュポにし、特等席を作ってあげると、素敵なライフスタイルの一端になってくれそうです。
半貴石のような輝きと色彩を持つスモールプレート。成型した土の上に細かなヴェニスのガラスや、土と同じ産地ボルドーのワインのビンを敷き焼成することで鮮やかで透き通る表面を生み出します。何に使おうかと考えるだけで楽しい作品ですので、初めてMamiさんの作品を選ばれる方にもおすすめです。
今回の作陶展ではこの他にお皿やお茶碗、湯呑みなどの食器も多くありますが、どれも心地良い重さがあり、手に良く馴染みます。また、食器自体が華美でないため、盛り付けた料理が綺麗に映えます。実際に使用してみると、見た目の美しさと使い心地の良さを兼ね備えており、とても優秀な食器であることがわかります。
皆様のお越しをお待ちしております。
[菅野麻美 プロフィール]
東京 生まれ
1991年 パリ大学大学院(Universite ParisⅧ)美術造形学部修了、Maîtrise National Arts Plastiques 修士号取得。1994年 博士課程前期修了Diplome d’Etudes Approfondies / DEA取得。 2013年よりフランス作家芸術家連盟公式会員。
現在パリ郊外のアトリエにて作陶中