奥村信之 ブロンズ像 | 踊り子 ※価格お問合せください
踊り子
【バレリーナは一見か細く見えますが、彼女らは鍛え抜かれた強靭な筋肉を持っています。力強さの中に、しなやかな繊細さを表現したいと考えました。このブロンズ仕上げは、通常私が行う鋳放しではなく、硫黄を使って徐々に黒変させました。ロダンなどの仕上げと同じです。日本によくあるブロンズ像のように黒色着色はしていません】 奥村氏ご本人より
作家の奥村信之氏は、イタリアで、現地の熟練した職人たちと多くの工程と手間ひまをかけ、一体一体彫刻を作り上げます。命を宿すように丹精を込めてつくられた作品はぬくもりを持ち、血が通い、師事をした巨匠エミリオ・グレコから受け継いだリアリズムが余すことなく彫刻の細部まで宿ります。リアリズムは骨格・筋肉・重心の位置、そこにひとつでも嘘があると失われますが、奥村氏は人間や動物を徹底的に観察し、肉体が透けて見える感覚を持つほどに対象を捉え、正確に形作ります。エミリオ・グレコ最後の弟子としてグレコの晩年を共に過ごした後、現在もイタリアに拠点をおき活躍されています。ギリシャ・ローマ時代の伝統的なブロンズ彫刻のロストワックス(ロウ型鋳造)と呼ばれる製法で、人体の骨格や筋肉を徹底的に研究した奥村氏の作品は、究極のリアリズムを追求しています。
カトリック教の総本山ヴァチカン宮殿の最奥には歴代のローマ法王の胸像が飾られています。その胸像はミケランジェロやベルリーニなど、その時代を代表する偉大な彫刻家の手により造られてきました。日本人として初めてローマ法王の胸像を奉納し、しかも法王三代にわたりその栄誉に輝いたのが奥村氏です。
ヴァチカンの最奥の間に飾られたベルリーニ作の胸像と向かい合い自分の手掛けた胸像が飾られているのを前にし『なんともいえない栄誉なことだ』と感慨深げな奥村氏が印象的です。
画像ではお伝えしきれないので、ぜひ店舗にて実物をご覧いただきたいのですが、遠方の方などには資料をご送付いたしますのでお問い合わせいただけますと幸いです。
[素材]
ブロンズ
[サイズ]
高さ58.5cm×幅44cm×奥行き16cm